再発・転移の検査
腫瘍マーカー①
再発・転移の検査には、腫瘍マーカー検査や、PET-CTや転移先の臓器のCT、レントゲン検査などが行われます。 腫瘍マーカーとは、がん細胞が作り出す物質、もしくはがん細胞に反応して正常細胞が作り出す物質のことです。 簡単に言えばがん細胞の目印になる物質の総称です。現在30種類ほどの腫瘍マーカーが臨床試験で使われています。 口腔がんでも、SCC抗原やCEAなどが用いられますが、特異性が非常に高いわけではありません。
腫瘍マーカー②
先ほども書きましたが、腫瘍マーカー検査は決定的なものではなく、あくまでも補助的な検査です。というのは、ほとんどの腫瘍マーカーは複数の臓器で作られます。口腔がんの代表的な腫瘍マーカーのひとつ、SCCなどは、様々な組織などでつくられますから、数値が上がったからといって、口腔がんであると特定することはできません。また、正常な人も腫瘍マーカーの数値はゼロではなく、どこからが異常かは目安にすぎません。早期がんでは腫瘍マーカーは正常値の範囲内にあるので、早期がんの発見にも使いにくいという短所があります。 以上のような理由から、腫瘍マーカー検査の結果だけから判断することはないといっていいでしょう。
転移の有無を調べる方法
転移の有無を調べる方法としては、腫瘍マーカーの他に、CT、MRIなどを使って、転移の可能性のある臓器を調べる検査を行います。全身のがん検診などでも用いられるPET-CTが有用です。口腔癌では、遠隔転移や重複癌の可能性が少なくないことから 他の臓器の癌を調べることは重要です。
頸部郭清術
口腔がんは、その所属リンパ節である頸部のリンパ節に転移することが比較的多く、その場合には頸部のリンパ節の郭清(頸部郭清術)を行う必要があります。
頸部郭清の副作用と対策
リンパ節郭清を行うと大きく以下のような症状が出る場合があります。
・肩がこる、腕が上がらない
・首が回らない
・むくみが出るなど
リンパ節郭清を行った皮膚には、軽度ですが常に引っ張られるような、ツッパリ感を生じることがあります。リンパ節は体液のバランスをつかさどるリンパ管から形成される集合体ですので、ダメージを与えることによって、体液が吸収されず、手足などに溜まってしまうために、浮腫(むくみ)が起こります。むくみを感じたら、さすりあげるようなマッサージを行うのが効果的です。