口腔がんの病期・ステージ分類

竹之下 康治口腔がんの病期(ステージ)分類

ステージの分け方

口腔がんと診断がついた後は、さまざまな検査結果から臨床病期(がんの進行度:癌がどれだけ進んでいるか)を決め、それによって治療法を選択します。 口腔がんの病期(ステージ=進行度)は、腫瘍の大きさと症状(T)、リンパ節転移の有無(N)、遠隔転移の有無(M)によって分類するTNM分類が国際的にも一般的です。 病期は、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期、ⅣA期、ⅣB期、ⅣC期の6期に分けられます。

TNM分類

Tumor(腫瘍), Lymph node(リンパ節), Metastasis(転移) の頭文字をとったものです。

ステージ分類 Ⅰ期

Ⅰ期 腫瘍は2cm以下(T1)、リンパ節転移がない(N0)。

ステージ分類 Ⅱ期

Ⅱ期 腫瘍は2cmを超えるが4cm以下(T2)で、頸部リンパ節転移のがない(N0)

ステージ分類 Ⅲ期

Ⅲ期 腫瘍は4cm以上の大きさ(T3)か、頸部に3cm以下のリンパ節転移が腫瘍と同じ側に1つある(N1)。

ステージ分類 Ⅳ期A

Ⅳ期A 腫瘍が口の周囲(筋肉、皮膚、上顎洞)まで広がる(T4a)か、3〜6cmのリンパ節転移が1つまたは6cm以下の複数のリンパ節転移がある(N2)。

ステージ分類 Ⅳ期B

Ⅳ期B 腫瘍が頭やのどの深部、内頸動脈まで広がる(T4b)か、6cmを超えるリンパ節転移がある(N3)。

ステージ分類 Ⅳ期C

Ⅳ期C 腫瘍が遠くの臓器に転移している(M1)。

ステージ分類 まとめ

I, II期のがんを早期がん、Ⅲ, IV期のがんを進行がんといいます。当然のことですが、ステージ(病期)が早いほど生存率や治癒率が高くなります。治療施設にもよりますが、病期別の5年生存率は、Ⅰ期で90%、Ⅱ期で70%、Ⅲ期で60%、Ⅳ期で40%といわれています。

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