罹患患者の統計

罹患患者数はどれくらいか?

罹患患者数はどれくらいか?日本においては、高齢化社会の到来とともに癌罹患率を増加しており、口腔癌においても罹患患者が増加しつつあります。

では実際にどれくらいの患者さんが罹患しているのでしょうか?
口腔癌に関する正確な全国調査は実施されていませんが、日本における口腔癌罹患患者は1975年には2100人でありましたが、2005年には6900人であり、2015年には7000人から8000人になる見込みです。日本では口腔癌の発生率と死亡率は右肩上がりの上昇傾向を示し、口腔癌では後進国の部類に属しています。

国立がんセンターの調査では、2013年にがんで死亡した人は364,872例(男性216,975例、女性147,897例)。
男性:1位-肺、2位-胃、3位-大腸、4位-肝臓、5位-膵臓
女性:1位-大腸、2位-肺、3位-胃、4位-膵臓、5位-乳房
口腔・咽頭がんの死亡者は、男性10,847人、女性4,869人の方がなくなられています。

一方、アメリカやイギリスなどの他の先進国では国を挙げてがん対策に取り組んでいます。その結果、罹患率は高いのですが、アメリカの口腔癌の死亡者数は、最近の97年から5年間で、約1,200人以上という急激な減少がみられますし、イギリス、フランス、イタリアといった他の先進国の口腔・咽頭癌の死亡率をみても、アメリカと同様に減少傾向を示しています。

アメリカを含めた先進国では、口腔がんによる死亡率が減少しているのでしょうか?
その理由は、国を挙げての積極的な口腔がん対策による早期発見、早期治療のあげられるとおもわれます。特に各基幹施設や基幹病院が中心となって、国民の口の中を一番見るであろう歯科医師を教育し啓発する体制ができていることが大きいと思います。

国民に口の中にもがんができることを知ってもらい、口腔がん検診などを広く普及させ、口腔がんにならないようにすること、口腔がんの検診システムを構築することが、口腔がんで死亡する人を少なくすることに重要と思います。

性差・好発部位はどこか?

年齢調節による口腔癌の男女比は3:2と男性に多く、年齢的には60歳代に最も多いです。
部位別発生頻度は民族、国、地域、生活様式、習慣により異なりますが、2002年の日本頭頚部癌学会の集計では、部位別発生割合は、舌:60.0%、頬粘膜:9.3%、口底:9.7%、上顎歯肉:6.0%、下顎歯肉:11.7%、硬口蓋:3.1%と報告されています。

口腔癌の危険因子

口腔癌の危険因子としては、喫煙、飲酒、慢性の機械的刺激、食事などの科学的刺激、炎症による口腔粘膜の障害、ウィルス感染、加齢などがあげられますが、疫学的あるいは実験的裏づけのあるものは少ないのが現状です。

喫煙は口腔癌における最大の危険因子と考えられています。東南アジア諸国では全癌の約30%を口腔癌が占めていますが、これは噛みタバコの習慣よつものが多いとされています。飲酒も口腔癌の危険因子で、アルコールそのものには発癌性はありませんが、間接的に発癌に関与するとされていて、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドに発癌性があると報告されています。

 

口腔癌の危険因子

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