口腔癌の自己チェック
口腔癌の自己チェック
口の中は、鏡などを使えば自分で簡単に見ることができる場所です。
口腔がんは、胃がんや肺がんなどとは違って、自分で初期の段階で見つけることができる癌なのです。さらに、早期発見できれば、治療後の後遺症も少なく治癒率は90%を超える病気です。
月に1回はセルフチェックをしましょう!
1.
まず、明るいライトと鏡を用意しましょう。
2.
入れ歯やその他の外すことのできる補綴物(ほてつぶつ)は外します。
3.
口をお水でよくうがいしましょう。
4.
上の歯と下の歯を軽くかみ合わせるようにして、上と下の唇を軽く指で持ち、唇の内側を観察。そのまま、前歯の歯肉も見てみましょう。
5.
今度は口をあけて頬っぺたを指で少し外へひっぱり、上下の奥の方の歯肉と頬っぺたの内側を見て触って確認しましょう。
6.
次に、歯肉の裏側をみていきましょう(場合によっては口腔内用の鏡を使いましょう)。
7.
頭を後ろにそらして、口蓋(口の天井)を観察し、人差し指で触れながらシコリや肥大がないか、また、色の変わった部分がないかを観察しましょう。
8.
「あー」っと声を出し、喉の奥も色の変化や粘膜のおかしい部分がないかを見ましょう。
9.
舌を前に出し、舌を表面と左右の裏側のチェックをします。この時、ガーゼかティシューで、舌をやさしく挟んでそっと引っ張ってみましょう。舌の表面・裏面・側面を見て、変色している部分や、白・赤色の部分がないかを確認します。また、なにかそのほかの異常や、傷が治らないまま長引いたりしていないか注意してみましょう。
10.
そのまま、舌の裏側と下の歯肉の間の粘膜も異常がないか、見て触って確認しましょう。
11.
首や下顎(左右とも)のあたりにこぶ状のものがないかを、触って確認しましょう。
自己チェックにおける粘膜異常の見つけ方ポイント
- 口腔がんは舌、口腔底(下あごの歯肉裏側と舌の裏側の間)歯肉に発生するので、これら部位は慎重にみましょう。
- 色が違う部分や表面が赤い、白い、粗造などの部分があれば、触ってみましょう。
- 治りにくい傷はないか、入れ歯の当たりや、さし歯がこすれてないか?を注意しよう。
- 粘膜のただれや赤くなった部分がないか、こすってもとれない白い部分がないかを注意してみましょう。
- まわりの健全な組織との境界がはっきりしないしこり、腫れ、できものがないかを注意してみましょう。
- がんに伴うびらんや潰瘍は口内炎と間違えやすい。口内炎であれば2週間程度で治るか、場所が変わることを忘れずに。
口の粘膜に異常を見つけたら
自己チェックで、気になる症状が見られたら、こわがったり、何でもなかったら恥ずかしいなどと考えずに、できるだけ早く、専門家の診察を受けて下さい。
治りにくい傷や腫れなどを、そのうち治るだろうと放置したりしないで下さい。命にかかわることかもしれません。
口腔がんの場合、早期発見、早期治療こそが最も大切なことなのです。
口腔癌の専門家って?
口腔がんを診断したり、治療したりする専門家としては、(歯科)口腔外科、頭頸部外科、耳鼻咽喉科などがあります。
歯科や耳鼻科は、近くに思い当たる医院があるけれども、口腔外科や頭頸部外科って、どこにあるのかがわからないという方もいると思います。その場合には、歯科医院、耳鼻科医院に行って、まず、見てもらって下さい。
それらの医院から口腔がんを取り扱っている適切な口腔外科や耳鼻咽喉科あるいは頭頸部外科に紹介してくれます。
口の粘膜に異常を見つけたらどうするのか?
Point!!
- 口の中に気になる症状が見られたら、こわがったり、恥ずかしがらずに専門家の診察を受けてましょう!
- 専門家探しのために、まず、歯科医院や耳鼻科医院に受診しましょう。専門家を紹介してくれます。
- そのうち治るだろうと放置したり、みのがしたりしないこと!命にかかわることかもしれないのです。
- 専門家に「大丈夫」と言われても安心せず、3か月に一回は状態を見てもらおう!